在日外国人の年金・脱退一時金ガイド【帰国時に損しないために】

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行政書士 監修 本記事はVisaSHOGUNが提携する行政書士が監修しています。出入国在留管理庁・日本年金機構の公式情報および実務経験に基づいて作成しています。最終更新:2026年3月

日本で働く外国人は、国籍に関わらず年金への加入が義務です。会社員は厚生年金保険、自営業者・フリーランスは国民年金に加入します。「どうせ将来もらえないから意味がない」と思われがちですが、日本を出国する際に「脱退一時金」として保険料の一部を取り戻せる制度があります。このページでは年金の基本から脱退一時金の申請方法まで解説します。

⚠️ 年金保険料の未払いはビザ更新審査に影響します

年金保険料の滞納は、在留資格の更新審査で「在留状況に問題あり」として評価される要因の一つです。支払いが困難な場合は放置せず、免除・猶予制度を申請することで将来の年金受給資格を守りながら負担を軽減できます。

1. 年金の種類と加入義務

年金の種類 対象者 保険料(2025年度) 手続き先
厚生年金保険 会社員・法人役員(20歳〜70歳未満) 標準報酬月額の18.3%
(会社と折半、自己負担約9.15%)
会社が代行
国民年金 自営業・フリーランス・学生(20歳〜60歳未満) 月額17,510円(全額自己負担) 市区町村窓口

厚生年金に加入している方は、同時に国民年金の第2号被保険者にもなります。会社員の場合は会社が手続きを行うため、自分で手続きする必要はありません。

2. 脱退一時金とは(帰国時の払い戻し制度)

日本の年金を受け取るには、原則として10年以上の加入期間が必要です。多くの外国人は10年に満たないまま帰国するため、そのままでは支払った保険料が「払い損」になってしまいます。

そこで設けられているのが脱退一時金制度です。一定の条件を満たした外国人が帰国する際に、納めた保険料の一部を受け取ることができます。

3. 脱退一時金を受け取る条件

以下の条件をすべて満たす必要があります(国民年金・厚生年金ともに共通)。

  • 日本国籍を持たないこと
  • 年金の被保険者(加入)期間が6ヶ月以上あること
  • 老齢年金の受給資格期間(10年)を満たしていないこと
  • 障害年金などを受け取る権利がないこと
  • 日本に住所がないこと(出国後に請求する)
  • 最後に被保険者資格を失った日から2年以内に請求すること
🚨 請求期限は出国から2年以内です

帰国後2年を過ぎると脱退一時金の請求権が時効で消滅します。帰国したら忘れずに手続きしてください。支給上限は60ヶ月(5年分)です。

4. 脱退一時金の金額目安

🏠 国民年金の目安

月額保険料17,510円 × 1/2 × 加入月数に応じた数

例:3年(36ヶ月)加入の場合
約315,180円(税引き前)が目安

🏢 厚生年金の概算

年収 × 加入年数 × 9% ≒ 概算支給額

例:年収300万円・3年加入の場合
300万円 × 3 × 9% = 約81万円(税引き前)

⚠️ 脱退一時金には所得税(20.42%)がかかります

非居住者として受け取る場合、支給額の20.42%が源泉徴収されます。ただし帰国後に「還付申告」を行うことで、所得税の一部が戻ってくる場合があります。還付申告は帰国した翌年から5年間有効です。

5. 申請手続きの流れ

1
出国前:市区町村で転出届を提出する
住民票の除票が脱退一時金の必要書類になります。出国予定日の前日までに市区町村窓口で手続きしてください。転出届なしで出国すると請求できない場合があります。
2
出国後:必要書類を準備する
脱退一時金請求書・パスポートのコピー・住民票の除票・振込先の銀行口座情報・基礎年金番号がわかる書類(年金手帳または基礎年金番号通知書)。
3
日本年金機構の社会保険業務センターへエアメールで郵送
送付先:〒168-8505 東京都杉並区高井戸西3-5-24 日本年金機構 事業管理部 社会保険業務センター。オンラインでの申請は現在できません。
4
審査・支給(書類受付から約4ヶ月)
不備がなければ約4ヶ月後に指定口座に振り込まれます。申請書は日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます。

📌 日本年金機構|脱退一時金の制度

6. 社会保障協定(二重加入を防ぐ制度)

日本は多くの国と社会保障協定を締結しており、母国と日本の年金加入期間を通算できる場合があります。協定国の方は、脱退一時金を受け取るよりも加入期間を通算して将来的に年金を受け取る方が有利になる場合もあります。

協定の主な内容 メリット
二重加入の防止 日本と母国の両方に保険料を払わなくて済む
加入期間の通算 日本と母国の加入期間を合算して年金受給資格を得られる

社会保障協定を締結している主な国(2026年3月時点):アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・韓国・中国・フィリピン・インドなど。詳細は日本年金機構または厚生労働省の公式サイトで確認してください。

💡 再来日の予定がある方は脱退一時金を受け取らない選択肢も検討してください。脱退一時金を受け取ると、それまでの年金加入期間がリセットされます。将来また日本で働く予定がある場合や、社会保障協定国の方は、加入期間を維持した方が有利になることがあります。

7. 保険料が払えない場合の免除制度

国民年金の保険料が経済的に払えない場合、以下の制度を利用できます。放置して未納にするよりも、制度を使う方が将来の年金受給資格を守れます。

制度 内容 申請先
保険料免除制度 所得が低い場合に保険料の全額または一部が免除される。免除期間も年金受給資格期間に算入される 市区町村窓口
納付猶予制度 50歳未満で所得が基準以下の場合に保険料の納付を猶予(10年以内に追納可能) 市区町村窓口
学生納付特例制度 学生の場合に在学中の保険料納付を猶予 市区町村窓口または学校

8. よくある質問

日本に永住する予定ですが、脱退一時金は受け取れますか?
脱退一時金は出国して日本に住所がなくなった場合に請求できる制度です。日本に住み続ける場合は受け取れません。10年以上加入すれば将来的に老齢年金を受け取ることができます。永住を目指している方は年金を維持することをおすすめします。
会社に入ったら自動的に厚生年金に加入されますか?
はい。適用事業所に勤める会社員は、国籍に関わらず自動的に厚生年金保険に加入します。会社が手続きを行うため、自分で手続きする必要はありません。毎月の給与から保険料が天引きされます。
転出届を出さずに出国してしまいました。脱退一時金は請求できますか?
転出届なしで出国した場合でも請求できる場合がありますが、住民票の除票の代わりとなる書類が必要になります。日本年金機構に直接お問い合わせいただくか、帰国前に行政書士に相談することをおすすめします。
国民年金の保険料が支払えません。未払いのままにしておいても大丈夫ですか?
未払いのままにしておくのは避けてください。ビザ更新審査で不利になるほか、将来の年金受給資格にも影響します。支払いが困難な場合は免除・猶予制度を申請することで、未納扱いを避けながら負担を軽減できます。
脱退一時金の申請書はどこで入手できますか?
日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます。書類は英語・中国語・韓国語など多言語版も用意されています。
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公式参考リンク

📌 日本年金機構|脱退一時金の制度

📌 日本年金機構|海外への転出/海外からの転入

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