在日外国人の年金・脱退一時金ガイド【帰国時に損しないために】
日本年金機構の公式情報および実務経験に基づいて作成。最終更新:2026年4月
- 日本で6ヶ月以上働いた外国人は、帰国後に「脱退一時金」として年金保険料の一部を取り戻せる
- 請求期限は出国後2年以内——知らないと永遠に受け取れない
- 年金未払いはビザ更新の不許可原因になる——在留中は必ず納付すること
- 一部の国との社会保障協定で二重加入を防げる
1. 外国人の年金加入義務
日本に住む外国人は、在留資格の種類に関わらず年金への加入が義務です。会社勤めの場合は厚生年金(会社と折半)、自営業・フリーランスの場合は国民年金(全額自己負担)に加入します。
「帰国するから年金を払っても無駄」と思う方も多いですが、帰国後に脱退一時金として一部取り戻せます。また日本に長期在留し永住権・帰化を目指す場合は、年金納付実績が永住審査に影響します。
2. 脱退一時金とは——受け取れる条件と金額
脱退一時金(だったいいちじきん)は、日本を出国した外国人が年金保険料の一部を取り戻せる制度です。
受け取れる条件
- ✅ 日本国籍を持っていない
- ✅ 厚生年金・国民年金に6ヶ月以上加入していた
- ✅ 日本に住所がない(出国済み)
- ✅ 年金(老齢・障害・遺族)を受け取る権利がない
- ✅ 出国後2年以内に申請する
請求期限は日本を出国した日の翌日から2年以内です。この期限を過ぎると時効で受け取れなくなります。帰国後すぐに手続きを始めてください。
受け取れる金額の目安
| 加入月数 | 月収30万円の場合(目安) |
|---|---|
| 6ヶ月 | 約5〜6万円 |
| 12ヶ月 | 約10〜12万円 |
| 36ヶ月(3年) | 約30〜36万円 |
| 60ヶ月(5年) | 約50〜60万円 |
※上限は60ヶ月分(5年分)。実際の金額は加入期間・標準報酬月額・税率によって異なります。
3. 脱退一時金の申請方法
- 出国前の準備:ねんきん定期便または年金事務所で加入期間を確認。マイナンバーカードは帰国前に返却。
- 出国・住民票の除票手続き:市区町村に転出届を提出。これが「出国日」の証明になります。
- 申請書の取得:日本年金機構のウェブサイトから「脱退一時金裁定請求書」をダウンロード(多言語版あり)。
- 申請書の記入・送付:出国後に帰国先から日本年金機構へ郵送(または代理人を通じて手続き)。
- 受け取り:審査完了後(2〜4ヶ月)、指定の外国口座に振り込まれます。
帰国前に信頼できる知人や行政書士に委任状を渡せば、帰国後に代理人が日本国内で申請することも可能です。
4. 社会保障協定——二重加入を防ぐ仕組み
日本は一部の国と「社会保障協定」を締結しており、本国と日本の両方で年金に加入する「二重加入」を防ぐ仕組みがあります。
| 協定締結国(主な国) | 効果 |
|---|---|
| ドイツ・英国・韓国・米国・フランス・オーストラリア・カナダ・インド・フィリピン等 | 一方の国の年金加入が免除される(適用証明書が必要) |
協定国からの派遣社員・駐在員は、本国から「適用証明書」を取得することで日本の厚生年金への加入が免除される場合があります。詳細は年金事務所に確認してください。
5. 年金未払いとビザ更新の関係
2024年以降、入管は更新審査で年金の納付状況を厳格に確認しています。厚生年金・国民年金のいずれも未払い・滞納がある場合、更新不許可のリスクが高まります。在留中は必ず納付してください。
6. FAQ
Q. 永住権を持っている場合も脱退一時金を受け取れますか?
永住権保持者は「日本に住所がない」という条件を満たすのが難しいため、実際には受け取れないケースがほとんどです。永住権を持ちながら出国する場合は年金事務所に相談してください。
Q. 国民年金(フリーランス・自営業)の場合も脱退一時金を受け取れますか?
はい、国民年金も対象です。加入期間6ヶ月以上の条件と出国後2年以内の申請期限は同じです。
Q. 脱退一時金に税金はかかりますか?
日本での源泉徴収(20.42%)が差し引かれた額が振り込まれます。協定国居住者は租税条約によって還付申請できる場合があります。
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