外国人社員の在留管理 社内体制の作り方【HR向け・2026年版】

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行政書士 監修 出入国在留管理庁の公式情報および実務経験に基づいて作成。最終更新:2026年4月
📋 HR担当者向け 実務ガイド
外国人社員の在留管理
社内体制の作り方【2026年版】
外国人社員が増えるほど、在留カードの期限管理・ビザ更新対応は「個別対応」では追いつかなくなります。このガイドでは、HR担当者が社内で持続可能な在留管理の仕組みを作るための具体的な方法を解説します。
🗓️ 2026年4月最新版 🏢 HR・労務担当者向け ✅ 行政書士監修
⚠️ 在留管理を「なんとなく」やっていると起きること

在留カードの期限を見落とし、社員がオーバーステイ寸前になった——これは実際に起きているケースです。外国人社員の在留期限を会社が把握・管理することは、社員を守ることでありコンプライアンスでもあります。

1. なぜ会社が在留管理をすべきか

在留カードの期限管理は、法律上は外国人本人の責任です。しかし現実には、HR担当者が積極的に管理する体制を作らなければ、問題が起きてから発覚するケースが後を絶ちません。

会社が在留管理を行う理由は大きく3つあります。

① 不法就労助長罪のリスク回避:在留期限が切れた社員を就労させた場合、会社は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。「知らなかった」は免罪符になりません。

② ビザ更新の書類準備に会社の協力が必要:ビザ更新申請には在職証明書・源泉徴収票・雇用契約書など会社が発行する書類が必須です。更新時期を把握していなければ、書類発行が間に合わないケースが生じます。

③ 外国人社員の定着率向上:在留管理を会社がサポートすることは、外国人社員にとって大きな安心感につながります。これは採用競争力・定着率に直結します。

2. 在留管理台帳の作り方

在留管理の基本は台帳の作成と定期的な更新です。Excelまたは社内データベース(Notion・スプレッドシート等)で管理します。

📋 在留管理台帳 — 推奨項目一覧
項目 内容・備考 記載例
氏名 パスポートと一致する表記 Nguyen Van An
国籍 ベトナム
在留資格 在留カード記載のもの 技術・人文知識・国際業務
在留期限 在留カードの有効期限 2027年3月15日
在留カード番号 更新時に番号が変わる AB12345678CD
パスポート有効期限 在留期限より前に切れないか確認 2028年6月30日
入社日 2024年4月1日
所属部署 異動時に更新 エンジニアリング部
前回の更新申請日 次回の目安に活用 2024年10月5日
次回申請推奨日 在留期限の6ヶ月前(東京) 2026年9月15日
担当行政書士 連絡先も記載 VisaSHOGUN
備考 転職歴・特記事項等 2025年1月に部署異動あり
💡 台帳は入社時に必ず作成する:在留カードのコピーを入社書類に含め、その場で台帳に転記する流れを標準化してください。後から集めようとすると抜け漏れが発生します。また、在留カードのコピー保管は不可(出入国管理法の規定)なので、必要事項を台帳に記録するにとどめてください。

3. アラートの設計——いつ、誰に、何を通知するか

在留管理の肝は「期限の6ヶ月前に動き始めること」です。特に東京入管では審査に4〜7ヶ月かかるため、3ヶ月前では手遅れになる場合があります。

🟢 在留期限の6ヶ月前
HR担当者が社員に通知。書類準備の開始を依頼。行政書士への相談を推奨。
🟡 在留期限の4ヶ月前
申請書類の収集を完了。行政書士または会社が申請。申請を遅らせない。
🔴 在留期限の2ヶ月前
申請が完了していない場合は緊急対応。特例期間に入る可能性あり。即刻専門家に相談。

カレンダーアラートの設定方法(Googleカレンダー・Outlook)

台帳の「次回申請推奨日」をGoogleカレンダーやOutlookに入力し、以下のアラートを設定します。

  • 在留期限の6ヶ月前:HR担当者にメール通知「〇〇さんのビザ更新準備を開始してください」
  • 在留期限の4ヶ月前:HR担当者+本人にリマインダー「申請書類の確認をしてください」
  • 在留期限の2ヶ月前:緊急アラート「申請状況を今すぐ確認してください」
🚨 パスポートの有効期限も忘れずに管理する

在留期限より前にパスポートが切れると、在留カードの更新手続きに支障が生じる場合があります。台帳にパスポート有効期限も記載し、有効期限の1年前にアラートを設定してください。

4. ビザ更新時の社内フロー

📋 ビザ更新 社内対応フロー(標準版)
6ヶ月前
HR担当者から社員に「更新準備の開始」を通知。行政書士への相談を案内。
5ヶ月前
社員が行政書士と相談し、必要書類リストを受け取る。
4〜5ヶ月前
会社側が発行すべき書類(在職証明書・源泉徴収票・雇用契約書)を準備。HR担当者が発行・捺印。
4ヶ月前
行政書士または本人が申請書類を入管に提出。申請完了をHR台帳に記録。
申請後
審査中(4〜7ヶ月)。追加資料請求があれば速やかに対応。
更新完了後
新しい在留カードの情報を台帳に更新。次回期限のアラートを再設定。

会社が発行すべき主な書類と担当部署

書類名 担当部署 発行にかかる時間の目安
在職証明書 HR・総務 即日〜3営業日
源泉徴収票 経理・給与担当 即日〜1週間(年末調整時期は2週間)
雇用契約書(写し) HR 即日
給与明細(直近3ヶ月) 経理・給与担当 即日
登記事項証明書 総務・法務 法務局に請求→1〜3営業日
法定調書合計表(写し) 経理 即日(保管書類から)

5. 会社規模別の管理体制の目安

外国人社員 1〜5名
Excelシート+カレンダーアラート
台帳をExcelで管理し、Googleカレンダーにアラートを設定するだけで十分。専任担当者不要。行政書士と1対1で都度相談するスタイルが効率的。
外国人社員 6〜20名
Notion/スプレッドシート+行政書士との定例
Notionやスプレッドシートで一元管理。行政書士と月次または四半期定例を設定し、更新スケジュールを先回りで確認する体制が理想。
外国人社員 21名以上
HR専用システム+顧問行政書士契約
SmartHR等のHRシステムに在留管理機能を組み込む。行政書士との顧問契約(月額)を結び、更新・変更をすべて委託するモデルが最も安定的。

6. 在留管理に関わる社内イベント一覧

以下のイベントが発生した場合、必ず在留管理の観点から対応が必要です。見落としが多い項目をまとめました。

社内イベント 在留管理上の影響・必要な対応 期限
入社 在留カード情報の台帳登録・社会保険加入手続き 入社日〜5日以内
転勤・異動(勤務地変更) 住所変更の届出(本人が市区町村へ)・在留カードの住所変更 引越し後14日以内
役職変更・業務内容の大幅変更 在留資格の活動範囲を超えないか確認。場合によっては就労資格証明書の取得や変更申請が必要 変更前に確認
退職 所属機関変更届出(本人が入管に届出)・住民税の普通徴収切替・脱退一時金の案内 退職日から14日以内
会社の合併・社名変更 雇用契約書の更新・所属機関変更届出の要否を確認 変更後すみやかに
長期出張・海外出向 長期出国(6ヶ月以上)は在留資格に影響する可能性あり。永住申請予定者は特に注意 出国前に確認
育児休業取得 在留資格は継続。在留期限のアラートはそのまま維持。育休中の更新申請も可能 休業中も管理継続

7. HR担当者の年次チェックリスト

✅ 年に1回・全社員分を確認するリスト
  • 全外国人社員の在留期限を台帳で一覧確認し、今後12ヶ月以内に期限が来る社員を特定した
  • パスポートの有効期限が在留期限より早く切れる社員がいないか確認した
  • 在留資格と現在の業務内容に乖離がないか確認した
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入状況に空白・未払いがないか確認した
  • 住民税の特別徴収が適切に行われているか確認した
  • 直近1年間で異動・転勤・業務変更があった社員について、在留資格上の問題がないか確認した
  • 退職した外国人社員の所属機関変更届出が完了しているか確認した
  • 台帳のGoogleカレンダーアラートが正確に設定されているか確認した
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